SOBAJIMA, Toshihiro

ICI STUDIO 甚吉邸

歴史的建築の移築復原を伝統技術と最新技術の活用で実現

旧渡辺甚吉邸は1934年に岐阜県の実業家が東京都港区白金台に建てたチューダー様式の洋館で日本最初の住宅作家といわれる山本拙郎や考現学の提唱者である今和次郎らが設計に携わっている。
この歴史的・文化的評価の高い昭和初期の住宅建築が都市開発のため取り壊される危機に直面したところを移築復原し動態保存するプロジェクトである。

復原では可能な限りオリジナル部材を再使用し、伝統技法を駆使するだけでなく、今後100年間活用し続けるため、最新技術を採用し耐震性能と室内環境性能を向上させている。

また、3Dデータを用いたロボット技術で腐朽の激しい木部材の精密な復原を試み、文化財建造物等の消失した部材の復原に力を発揮することを実証したプロジェクトでもある。


令和5年2月、取手市として初となる国の登録有形文化財に認定された。

所在地   茨木県取手市
主用途   事務所(研究所の付属施設として建設)
建築主   前田建設工業株式会社
設計・監理   前田建設工業株式会社一級建築士事務所
施工   前田建設工業株式会社 関東支店
延床面積   256.05㎡
規模   地上2階
構造   木造
竣工
   2022年3月