W-ANNEX
歴史的建築と新築の交流拠点の一体的活用から創造する
昭和9年竣工の近代住宅の傑作「旧渡辺甚吉邸」は、本W-ANNEXを伴う事で、ICI STUDIOという名の新しい価値の創造拠点として生まれ変わった。本プロジェクトでは、設計パートナーとしてツバメアーキテクツを招聘し、甚吉邸に併設する建物の用途についての議論を重ねた。
その結果、甚吉邸と肩を並べて建つ相棒のような建築が浮かび上がった。小さな室の集合で作られ、装飾豊かで華やかな甚吉邸に対して、大きながらんどうで、タフに使える空間を補って活用を促進する。雑木林の中に極力木を残すように配置し、木々の中に馴染ませつつも存在感のあるヴォリュームで木造トラスを浮かばせる構成とした。
ランドスケープと連続性を生むカーブを描いた鉄筋コンクリートのコアと鉄骨のポストがこれを支え、内外が連続した開放的な空間を実現している。方位に応じて、日射遮蔽や風景の取り込みなどに配慮した結果、透明度の異なる外皮が木の架構を浮かび上がらせるファサードが生まれた。これを甚吉邸のファサードにちなんで「ネオハーフティンバー」と名付けた。正面ファサードに設けたメタルメッシュは巻き上げることができ、柔らかく華やかな表情が甚吉邸との調和を生み出している。
所在地 | 茨城県取手市 |
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主用途 | 事務所(研究所の付属施設として建設) |
建築主 | 前田建設工業株式会社 |
設計・監理 | 前田建設工業株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 前田建設工業株式会社 関東支店 |
延床面積 | 328.36㎡ |
規模 | 地上2階 |
構造 | 木造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 |
竣工 | 2022年3月 |