COERU SHIBUYAは、賑やかな渋谷・道玄坂に位置する地上13階、高さ約48mのテナントオフィスビルである。計画地は、南・東面に開けた角地であるとともに、事業主である東急不動産本社に隣接する位置にある。

本計画は、オフィス・商業の垣根を越え多様なニーズに対応する新しい時代のコンパクトビルとして、東急不動産が展開する新シリーズ「COERU（コエル）」の第１弾でもあるため、今後のシリーズ展開にふさわしいフラッグシップとしての確かな存在感を示すことを目指した。

建物構成は、１階が店舗、2 ～13階がオフィスである。2 ～13階には外部からの視認性の高い南および東面にラチス状の木・鉄骨ハイブリッド耐震システムである「木鋼組子Ⓡ」を採用することで意匠面・構造面において存在感のある木材の利用を実現した。また、1時間耐火となる10 ～13階の上部４層の小梁には木質ハイブリッド集成材梁も採用し、室内の木質化をより高めた計画とした。

本建物は、これらの取り組みにより「サステナブル建築物等先導事業（木造先導型）」に採択されている。竣工時点で国内最高階層（13階）の木造ビルとなるこの建物が、高層木造化のモデル建築としてその普及・促進につながることを期待する。