ICI建築講演会「藤本壮介 建築を語る」が開催されました
2025年9月17日に前田建設本店にて、ICI建築講演会を行いました。ICI建築講演会は、広く社会的な活動を続けてこられた著名な建築家をお招きして、前田建設の主催で年2回開催する講演会です。プロデューサーの安東孝一氏による講師へのインタビューを通じて、これからの社会における建築のありかたとデザインの問題をトータルに考えます。
4回目を迎えた今回は建築家の藤本壮介氏をお迎えし、建築について語っていただきました。90分を超えるご講演、その後インタビューや質疑応答が行われ、現地参加・オンライン合わせて約500名を超える方にご参加いただきました。
講演会
建築をつくる上で根底にあること・つくり出す建築への思い「Between Nature and Architecture」
高校まで自然豊かな北海道の地で育ち、それが自身の原風景である。東京の住宅地に移り住んだ時、東京の街は電線・垂れ幕・小さな看板・自転車などでごちゃごちゃしていて原風景とは見かけは違うが、何故か森と似ているのではないかと感じた。何故そう感じたのか。自然の森は葉や枝でやわらかく守られているが、閉ざされていないためどこでも行きたい方向にいける。守られているが開かれている。そして移り住んだ東京という街も、ごちゃごちゃした小さなものに守られているが閉ざされておらず、開かれている。見かけは正反対だが場の成り立ちは同じであると気付いた時、建築と自然は分けて考えるものではなく、つながっているものと考えるようになり、今でも建築をつくる上で根底にある考えとなった。また、森美術館の展覧会(※1)の準備を通し、色々な出来事が集まった時に違いを保ったまま共存し、緩やかにつながることができる「森」という場所が一つのモデルとなるのではないかと考えた。対立が多い現在の社会の中で、矛盾や対立を含めた全てを受けとめることができる「森」、そういった緩やかな統合を建築としてつくって行きたい。
インタビュー
①藤本さんにとって模型とは何か?
藤本氏:「考えることそのもの。模型をつくることで、頭で考えることとは別に手で考えることができる。それはスケッチでも同じ。またチームで会話し議論することも考える手法の一つ。そういったいろいろなモードで考えることで建築を生みだしている。」
質疑応答
①最近下町でも再開発で高層ビルが建ち、東京都の雑木林のような原風景が変わりつつある。その風景についてどう思われるか。また再開発のPJに携わる中でどのような新しい原風景をつくっていくべきとお考えか。
「再開発のPJの中でも人間の営みと空間が結びついた場所をつくりたいと考えている。ディベロッパーも意識しているがまだ形になっていないのが現状。経済性を鑑みながら魅力的な街を未来に残すためにどうするか?それを具現化し、その魅力を発信していくことが我々に必要なことだと思う。」
②次の時代・未来はどうなっていくと思うか?そこに建築はどうあるべきとお考えか。
「現在は違いをあげて争ったりする社会である。違いをリスペクトし、チャレンジすることを応援する。そんな世の中になってほしいし、そうなるような建築を作っていきたい。」
③どの建物にも白を使われていることが多いが、どのように色を選定して設計されているか。
「白は時間や環境によって常に変化する。建物は建った後そこに残るが、白はその瞬間の時間や環境を映し出す他にない色。そのため白を選定することが多い。
またコルビュジエがつくったラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸という住宅を見たとき、パリのクリーム色の街並みの中で白の住宅が鮮やかに輝いていて、新しい時代をつくろうというコルビュジエの気合を目の当たりにした。その記憶が原点となっている。」
講演会終了
改めて藤本先生、ご講演いただきありがとうございました。
第4回ICI建築講演会も多くの方にご参加いただき、盛況のうちに終了することができました。ご参加いただきました皆様改めてありがとうございました。ご興味のある方は、今後も同様の講演会を継続して開催してまいりますので、ぜひお申込みください。
(※1)森美術館で開催した大規模個展「藤本壮介の建築:原初・未来・森」(2025年7月2日~2025年11月9日)
アーカイブ配信のお知らせ
本講演会のアーカイブ配信を期間限定で実施します。
ご希望の方は下記お申し込みページからお申込みください。







